シェンヌの鍵穴

第16回 「入団して1年」  SANRIO:ソプラノ  
2010/1/10


私がクールシェンヌに入団してからもう1年以上が経ちました。入ってから10以上のステージに乗りましたが、 本番前の緊張も本番に歌った曲もドキドキしながら着ていたたドレスも、どれも鮮明に思い出せます。


私とクールシェンヌとの出会いは高校1年生の合唱祭でした。合唱をし始めたのが高校からで、高校生以外の大 人の合唱団の演奏を聴くのはこれが初めてでした。初めて聴いた演奏は、一言では簡単にはいえませんが本当 に素晴らしかったです。忘れることが出来ません。私たちには到底まねの出来ないような、温かく、落ち着い た、ホールいっぱいに広がる響き。流れるようなフレーズのつながりがあるけれど、歌詞の意味が聞こえてく る演奏。まだまだ始めたばかりの私たちにもわかるくらいの上質さに、圧倒されました。同じ曲を偶然私たち も歌ったのですが、全く違いました。これが大人の演奏なのか、と感じました。その曲は木下牧子さん作曲の「 夢みたものは」です。いつかはこんな風な演奏をしたいと強く思いました。このときから、私の憧れの合唱団は クールシェンヌで、一番好きな曲は「夢みたものは」となりました。今まさかそのクールシェンヌの皆さんと一 緒に「夢みたものは」を歌うことが出来るようになっているとは、高校生の私は考えていなかったと思います。

高校生の間、3年間コーラス部で楽しく、時に厳しく練習してきました。しかし中学生の間は私は吹奏楽部に所 属していました。こちらもしっかりと練習してきて、部活中心の充実した毎日を過ごしていました。ではどう して私が高校生になってコーラスを選んだかというと、吹奏楽をするにはまず楽器がいるけれど、コーラスは 人がいればできるからです。楽器の音も素敵だけれども、やっぱり人の声のほうが、やっぱり心に届くなぁと 、前々から私は思ってましたし、学校の授業でみんなで歌うのが大好きでした。私は結構続けることが苦手な 飽き性な性格なんですが、自分の声を使うのだから飽きて捨てることも出来ないし、他の人もたくさんいるコ ーラスなら一生続けられるんじゃないか、私の生涯趣味にすることができるんじゃないかなぁ、と思ったので す。

今、その憧れのクールシェンヌに所属し、コーラスを皆さんとしていることは、本当に幸せです。飽きるどこ ろかますます好きになっていますし、もう無くてはならない生活の一部です。コーラスの、シェンヌの、皆さ んのおかげでとても充実した日々を送っていると思います。もちろん高校のコーラスだけを経験してきた私に はやっぱり曲などのレベルが高く、なんとか皆さんについていきたい、という思いからいつも必死に練習して います。ですがやっぱり、まだまだ頑張りが足りないのか、思うようにうまく歌えなくて、悔しくて申し訳な くてつらくなる時があります。そんなときも周りの先輩方はいつも優しく、支えてくださいます。とても暖か な気持ちになります。パートの中でもやっぱりそんな先輩方にはまだまだ追いつきません。シェンヌの中では 、歌だけでなく、このようなやさしさも身につけたい、と強く思います。目標となる先輩方がいつも近くにい てくださることは、もっと歌えるようになりたいという自分の志を保つ上でも本当にありがたいなぁと思って います。 目指している音楽の質や志、皆さんの持っているシェンヌに対する愛情、過去の演奏会、今までのシェンヌ、 シェンヌの成り立ち、...いろんな団員の方々からお話しを伺ったりするなかで知ることがたくさんあり、自分 はまだまだだと思うと同時に、よし、もっと頑張ろう!といつも思います。大学の講義で、「何かを習得して自分のものにするには1000時間は練習が必要だ」と聞きました。私には何年くらいが必要なのかと考え、計算して みました。週1回2時間の全体練習だけで約10年、日曜練習やパート練習を入れてみたら約8年と出ました。そこ からどれだけ自分で練習するかで、この年数がもっと短くなります。もちろんこの1000時間をこなしたからと いって、音楽を習得できるとは全く思っていません。でも、たくさん練習することは、絶対自分にとってプラ スになると思います。頑張って地道に練習することが、少しでも自分の理想に、シェンヌに近づける一歩です よね。3か月ほど前には後輩が2人入団して来ました。私の高校時代の後輩でした。2人が頑張って練習している のを見たら、私もシェンヌで先輩になったんだし、もっともっと頑張っていかなくては、と今まで以上に思う ようになりました。 私はコーラスが大好きです。大勢の人がひとつの指揮に向かって、ひとつの音楽をみんなでつくる、こういう ことは普段はあまり経験できません。素敵なことだと思います。そして、私はシェンヌが大好きです。今年も たくさんのステージがあり、大変だとは思いますが、ステージごとに少しずつでも成長できたら、と思います 。これからも頑張って練習して、もっと歌えるように努力していきます。頑張ります! 。