シェンヌの鍵穴

第14回 「アルト・スキーツアー 顛末記」 by PLATZ:アルト  2005/01/03


 昨春のある日のパー練終了後。
「スキーに行きたい」とTが言い出した。
「スキーですか・・・今からはもう無理ですねえ。年末ならいつも行ってるから、一緒に行きますか?」と、Oさん。
「私も行きたいですぅ、やったことないんですぅ」とS。
「じゃあ、アルト・スキーツアーでも組みましょか」と私。
アルトの人々は、ボーダーも含め、TとS以外はスキー経験者(ただし、京都北部出身のIさんのように、田んぼでスキーする、なんて人も含まれる)。これだけ経験者がいれば、初心者二人を連れて行っても何とかなるだろう。
「じゃあ、年末に行きましょう。それまでに、Tさん、Sさんはトレーニングをしておくように」と、スポーツ・ウーマンのOさん(登山、自転車、スキーはじめ、あらゆるアウトドアの達人である。普通行かんやろ、と思うようなところにも歩いてきたりする)らしい発言が飛び出し、ビデオ持っていって上映会しよう、ということまで決めて、パー練が終了した。

 さて、年末が近くなって、「スキー、どうします」という話に。
暖冬のせいで、Oさん行きつけのスキー場もまだ雪が降っていないという。
「今、15pくらいらしいです」というOさんに、「初心者二人が顔血だらけにして滑るかもしれん。嫁入り前やのに。今年は無理やな」と私。「雪が降ったら連絡します。いつになってもいいですか」というOさんに、私もTもいいですよ、と言って、年末最終練習を終えた。

 さて、12月28日。
Oさんからメール。「雪が降りました。29日出発で、どうですか」
・・・29日って、明日?・・ま、いいか、と思い、YESの返信。
またまたOさんからメール。「Tさんが30日から行けるというので、30日から行きましょう」明後日なら準備できるな、YES!の返信。
結局、30日からのスキーツアーは、Sが行けなくて、T、Oさん夫妻、私の4人が参加することに。

 30日早朝。家の近くまで迎えに来てもらった私。
高速に乗ってから、おそるおそるOさんに質問。「すみません・・・どこに向かってるんでしょうか」
Oさん「あ〜、言うの忘れてました。栂池です。」
Oさんの夫「ボクもいろんな人とスキー行ったけど、行き先も知らずに来た人は初めて・・」
Oさんの夫の運転で、快適なドライブは続く。恵那峡を超えた辺りから雪景色に。

 やってきました、栂池スキー場。Oさん行きつけのスキー・ロッジに荷物をおいて、早速ゲレンデへ。Oさん、『水を得た魚』状態。指揮者の前ではいつもビビっているのに・・・。
「じゃあ、リフトに乗りましょう!!」と、後込みするTの両脇を夫婦で抱えて、リフト乗り場へ。
12年ぶりのスキーだというT。ボーゲンでゆっくりゆっくり、サンダーバードの人形芝居のように姿勢を変えず下りていく。私も5年ぶり。スピードが出るとやっぱり怖い。
それに引き替え、Oさんのスピードといったら!!夫いわく、「スピード狂だから」。スピード狂は自転車だけじゃなかったのか・・・
Oさん夫妻の丁寧なアドバイスで、私もちょっとは上手くなったかな。
Tは・・・鬼コーチOさんの特訓で、かなり上達した。

 だって、ほんとに怖いんだもの。
始めこそ「重心を谷足にかけて・・」なんて丁寧に説明してたけど、慣れてきたなと思ったら、急斜面でも「レッツ・ゴー!!早く行きましょう」なんて言うし、緩斜面では、とろとろ滑るTの背中を「早く行け」とストックで突いてるし。
でも、Tは果敢にゲレンデに出ていく。鬼コーチOさんは、上でTの様子を見ていたかと思うと、ひゅーんすいすいって下りていって、Tを迎えてる。
疲れてきたTがだだをこね始めると、「この下にカフェテラスがあります。ケーキもあるよ」
鬼コーチOさんは私にもアドバイスをくれた。「もっとスピード出した方が上手くターンできますよ。怖がってるでしょ」
・・あれ?どこかで見た風景。これって、アルトのパー練そのまんま??(いつもお菓子で釣ってるし、怖がらずにもっと歌えって言ってるし・・。あ、でも、私はストックで背中を突いたりしてないよ)

 こうして初めてのアルト・スキーツアーは無事終了した。今回、急に行くことになったので、ビデオが間に合わなかった・・・痛恨の極み。
次回は多くの方のご参加をお待ちしています。「明日から行こう」とか、「どこ行くかわか
らない」とか、そんな話にはならないと思います・・・たぶん。