シェンヌの鍵穴

第3回 「 いざ!勝負!!」 by J丸:テナー  2003/11/20


 どうしても書きたくなりました。「また、J丸〜」って聞こえてくるかもしれないけど、どうしても書かずにはおれないのでお許しください・・・みなさま・・・さっき、関西テレビで「のむさん〜アマで挑んだ日本一〜」ってドキュメンタリー番組をやっていて、それを見たら、あたためていたネタが一気に膨らんできて、書かずに寝ることができなくなりました。

 さて、時は折しもスポーツイベント花盛り。特にそれらがオリンピック予選を兼ねているとあって、いやがおうにも盛り上がっています。アスリートたちが「いざ!勝負!!」とばかりに熱い火花を華麗に飛び散らせています。野球は、負けることが許されないという状況の中で、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮し、3戦とも圧勝しました。その戦いぶりには鬼気迫るものがありました。でも、彼らにはまさに野球小僧の輝きがありました。普段、最高のレベルで闘っている人たちが、必死になっている、いや、必死になれる自分を楽しんでいる風にさえ見えました。バレーボールはワールドカップ真っ最中。あのメディアの盛り上がり方に、J丸は嫌悪感を禁じえないものの、全日本チームは男女とも強くなったなぁと素直に認めています。しかし、勝負の世界は非情なもので結果が全て。いくら盛り上がろうが感動があろうが、女子の上位4カ国と5位Nipponとの差は歴然としていました。合唱コンクールの結果などのランキングにはグレーゾーンがあるけれど、スポーツの世界にはそれがなく、勝者と敗者の明暗、白黒がはっきりします。


 敗者といえば、先日の東京女子マラソンで高橋尚子選手がまさかの敗北を喫してしまいました。周りが受けたショックの割には本人はサバサバした感じだったのが印象的でした。今回の試合の意味合いはあまりにも大きく、そのための準備は想像を絶キるものだったと思います。全てを賭けた結果が敗北・・・なのにあの人はなぜ・・・J丸はそこに『超人』の真髄を見た気がしまた。あのような大きな試合でも、彼女にとっては通過点のひとつに過ぎなかったのか・・・彼女は42.195Kmのマラソンではなく、『人生』という壮大なマラソンを走り続けているんだ。1位という今回のゴール、そしてアテネという次のゴールと、いくつもゴールがあるのではなく、高橋尚子として生き、高橋尚子として死ぬことがたった一つのゴール。そのゴールをしっかりと見据えているアスリートとしての凄みを思い知らされました。本当の勝負師は見据えているものが違うんだと思いました。

 いよいよシェンヌも勝負のときを間もなく迎えます。昨日の練習で指揮者は勝負に出ていると私たちに迫ってくる発言がいくつかありました。「敢えてリスクを冒してまでも合唱音楽としての高まりを求める。」という発言。心が熱くなるような気概を感じました。合唱における“浪花節”を徹底的に嫌う彼が「温もりはすなわち、音の狂いなんだけどなぁ・・」と言ったときの、どこかうれしそうな苦笑い。シェンヌの成長を誰よりも心から喜んでくれている温かさを感じて嬉しかった・・・(わかってるって。「どこまでも、心は熱く、頭は冷静に!!」でしょ。絶対に忘れないよ。)意気に感じて勝負の場に臨めるなんてしあわせだね。(まるで今年の猛虎戦士のような気分になってきたぞ〜!おっと、いかんいかん。ほどほどに・・・)

 最後に、どうしても書きたくなった理由(弁解?)を。(まだ書くかぁ〜 ごめん、もう終わるから・・・)ドキュメンタリーを締めくくった野村監督のつぶやき。(決勝で負けたことを振り返って)「試合については私の迷いが敗因。日本一になるために、まだまだ足りないものがあるということでしょう。それは監督の力、チームの力、ほかにもあるんだろうなぁ・・・やっぱり、日本一になるって難しいことですわ。」
 今回のコンクールで、指揮者に敗者の弁を語らせたくないと心から思う。みんなもそうでしょう。彼は、結果に関して僕たちを責めたことは一度たりともありません。いつもその責めを負ってきてくれました。彼にいい思いをしてもらいたいね。ささやかなご恩返しができるように、みんなが一つになれることを信じています・・・

 次回予告!
タイトルは「忘れかけていた感触」 でもその前に、誰か書いて〜!いっぱい書いて〜!!おっちょこちょいのJ丸も、さすがにでしゃばり過ぎて恥ずかしくなってきたから・・・