シェンヌの鍵穴
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第2回 「アルトの愉しみ」 by PLATZ:アルト 2003/11/19

小・中とソプラノかメゾを歌ってきた私は、なぜか高校で音楽の先生に「アルトね」と言樓、それ以来ずーっとアルトを歌っている。大学では先輩とともに『トップアルト』を結成し、Eから下が出ないというとんでもないアルトだった。いやはや、今は昔の話である。ポリフォニーを歌い始めてから、アルトの奥深さとかおもしろさを知った。何といっても、ポリフォニーはアルトも主役の一つ。楽しくないわけがない。時には主役、時には縁の下の力持ち。いろんな曲を知れば知るほど、アルトはおもしろいなと思う。
長いこと合唱を続けてきて(年数は詮索しないように)感じることは、合唱団が変わっても、アルトのメンバーの特徴はあまり変わらないということ。最近うちのアルトも人数が増えて、いろんな人がいるように見えるが、本質はみんな変わらんな、と思うことが多い。
まず、アルトはよく食べる。特に甘いものには目がない。うちの場合、特別練習のように長時間練習になると、おやつは必需品である。休憩のたびに『おやつはまだか』という雰囲気が漂う。おやつをちらりと見せると、犬(たまに猫もいる)になる人が必ずいる。
「わんわん、わんわんわん。(・・待て!)・・うぅ〜わぅ。(・・さー、食べるぞー)きゃんきゃん、ばうばう」
とまあ、何でもアリである。そして食べ始めると何とも幸せそうな顔をしている(こんな顔で歌えばいい訳よね)。
そしてアルトは練習熱心である。うちも、他のパートより長い時間練習に励んでいる(これだけが自慢である)。それなのに、よく指揮者殿にしかられる。そのしかられ方がまたヒドい。この前もアンサンブル練習の中で、「おんち」だの「無味無臭」だの「色(艶)がない」だのと言われた(普通こんなこと言う指揮者はいない、と他の合唱団の方から聞いたことがある)。まったく、何のためにいつもおやつのお裾分けをしているんだか・・・。
要は、色気より食い気なのである。ま、平均年齢が一番若いんだから仕方ないんだい(誰が平均年齢を押し上げているか等、余計な詮索はしないように)と言い訳しつつ、けなげなアルトは今日も頑張るのだった。さあ、今週末は本番。いい演奏ができますように!
・・・と言いつつ、本番当日のおやつを何にするかでこのところずーっと悩んでいる私。みんな、どこのお菓子がいい?