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[12]オーケストラと・・・(2003/12/04 01:18:29
来年度のスケジュールを、今、調整していますが、夏にオーケストラとの共演を予定しています。演奏曲目もまだ決定していませんがはじめてのことだしワクワクします。と言ってももちろんアマオケなんですよ。

去年創立した「朱雀シンフォニーオーケストラ」は特に定期的な活動はしていませんが年一度のコンサートを開くことを目標にしています。このオーケストラは私が5年前まで勤務していた県立平城高校のオーケストラ部(厳密には弦楽部と吹奏楽部)の卒業生が中心となって組織している団体です。学生オケや音楽大学で腕を磨いた(?)メンバーが集います。
去年の夏に初めての演奏会を開きました。曲目はソプラノ オペラアリアを3曲とチャイコフスキーの交響曲5番。第2回目は是非シェンヌと一緒に・・・ということで話が進んでいます。詳しくは内容が決まったらご案内しますね。

その平城高校は奈良県最北端(?)京都府との境に位置する進学校です。私はそこで勤めた9年のうち、最後の4年間、合唱部と吹奏楽部と弦楽部の3つのクラブを掛け持ちで顧問をしていました。時間的には大変でしたが、本当に充実していました。7月と3月の年2度開く、3クラブ合同のコンサートではオーケストラを編成してフォーレのレクイエムも演奏しました。ああ懐かしいなあ・・・。

中でも私の(私たちの)自慢は合唱部の部員が6年間、退部者がゼロだったことです。まあ、全国大会までは進めなかったので9月の関西コンクールで3年は引退となりますが、1年生の春に入部した新入部員が揃って3年の最後のステージまで歌いきってくれたことは、コンクールのどんな結果よりも嬉しいことでした。
それは、ある年度の3年生に「どんな部活にしたいか」を考えさせたところ、「とにかく先輩も後輩もみんな仲のいいクラブにしたい」と言ってきたことから始まりました。私も最初は「はあ?」と思いましたし、「そんなことよりもっと大切なことがあるやろ」と、そんな目標をたてた3年生にあきれていたのでしたが、彼女たちの考えは見事に部員全体に浸透し、ついに私が転勤するまでの間、一人の脱落者も出さずに全員が3年間やり遂げてくれました。

これを大人の合唱団に当てはめて考えてみる・・・っていうのは、意味のないことなのかもしれません。
 それぞれに家庭があり、生活があり、様々な事情を抱えながらわずかな時間を捻出して集まるグループですから。
 意欲の度合いや合唱に対する想い、考え方も違いますから。
 演奏レベルにはっきりとした「差」が生じていますから。
 プライドだってありますから。
 気に入らなければ他にも合唱団は幾らだってありますから・・・。

私は私の立場でシェンヌを魅力あるものにするための努力を惜しみません。でもそれは「音楽的な魅力」という側面だけなのかもしれません。それ以外の面での魅力・・・。例えば「安心感」や「感動の共有」などが実感できるということなど、頂上ばかりを見ていて、見過ごしてしまいそうなことがないでしょうか?

平城高校も昨年、ついに部員数ゼロになってしまったそうです。どんなに時間をかけて作り上げたものも、壊れるのは一瞬です。
「続けること」の難しさは「続けている」からわかること。そしてその秘訣は、一つのことを諦めないでやり遂げる「根気強さ」と、単純すぎて言うのもはずかしいけれど「輪(和)」なんじゃないのかな、と思います。

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