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[24]連合音楽会を終えて(2004/02/16 17:32:22)
昨日行われた「連合音楽会」では、高校生たちのいい演奏がたくさん聴けました。
吹奏楽も5校参加していましたが部員数の少ない学校も響きや音程を丁寧に扱っていて好感をもてました。また逆に人数の多い学校はしっかり息の入った充実のサウンドで楽しめました。
他にピアノの独奏やバイオリン、打楽器ソロの演奏、そして独唱もありましたがどれも高校生としては大変立派な演奏でした。
「しかし自分があの年齢の頃には一体どんな風に歌えていたんだろう・・・」と考え込んでしまいました。私も教員18年目ですが、生徒たちの声はこの20年近くで随分変化してきているように感じます。まず音程が良くなってきていること。私たちが学生だった頃は「音に声を合わせられない」生徒(特に変声期後の男子生徒)がたくさんいたように記憶していますが、ここ10年でそのような生徒はほとんど姿を消しています。カラオケの普及によるものなのでしょうか・・・。
それから男子の声が以前より高くなり、女子生徒の声が低くなっている傾向にあると思います。特に男子ではテノールばかりでバスを歌える生徒がほとんどいません。女子は多分、日頃聴いている音楽が女性歌手の地声(的)発声によるものが多く、その影響を強く受けているのではないかと思います。
そういえばシェンヌにもベースの新しいメンバーが増えないなあ。バリトン、ハイバリトンは結構いるんだけどローベースがいないんだよなあ。
昨日の音楽会に参加した合唱部は7校。おそらく現在活動している県内の全ての学校なのだと思います。一番部員の少ない学校で7名。一番多いところで30名ほど。奈良県は残念ながら全国で最も高校生の合唱人口が少ない県だと思います。県内の大学の数も極めて少ないので、所謂「合唱人」がなかなか育ちません。どうしても近隣の京都、大阪に人材が流れてしまう傾向にあるようです。しかしそれを食い止めるためにも学校教育の担うべき責任は大きいと思います。合唱(に限らず音楽全般も)の魅力を教え伝えることの必要性。
しかし、そんな高校生の前で昨日はシェンヌが演奏する機会を得ました。私たちの演奏が生徒たちに与えるものは何もありません。が、彼らが何かを感じてくれる可能性はあります。合唱の分野ではやや活気に欠ける奈良ですが、そこで学ぶ子供たちの感性は他となんら変わるわけではありません。「出会い」や「気付き」がないだけなのです。
音楽会の一番最後に私たちは歌いましたが、そのひとつ前に演奏した「北大和高校」の演奏はとても心のある素敵な演奏で感激いたしました。顧問の先生は着任2年目ですが部員の気持ちを見事に惹きつけ、本当に素敵な合唱部に育てられました。日頃の活動の苦労なんかは外からは見えないものですが、先生と生徒たちの心のつながりが聞いている者にも感じられ、幸福感を与えられました。
これも合唱の魅力。合唱が人に、地域に根付く一番大きな力・・・。きっと。
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