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[26]何を求めて・・・(2004/03/03 17:54:11)
先週土曜日の練習にお客様がいらっしゃいました。何日か前に私宛にメールがきて、シェンヌの過去の演奏についての問い合わせがあって、そのやり取りの中で「一度見学に・・・」ということで、わざわざ名古屋から(三重かな?)来て下さいました。私が「いつでもどうぞ」とメールで返信した、5時間後にひょっこり現れたので、ちょっとびっくりしましたけれど。

その彼、名古屋のN大学のY君はメールでの文章が丁寧でとても常識的(実はこのことはめずらしいことです)。「好感度高いよね」とうちの副団長とも話していたのですが、直接話してみても真摯で純粋な青年でした。手土産まで持ってきてくれて、思わず練習後の秘密の飲み会(?)に誘っちゃいました。お酒にも強くって二重マル。卒業後は是非シェンヌに来てくださいね。お待ちしています。

この日の練習は、午後からの櫻鳴合唱団との合わせ練習に引き続いてせっかく男声が揃っているから、ということで夕方2時間弱の男声の補習から始まりました。
はっきり言って、ちょっとショックを受けてしまいました。年末から比べると確実にレベルダウンしています。読譜力が弱いとか、器用さがないとか、以前から抱えている弱点に加えてひどく声が荒れている状態。潤いがないというのか脂が乗っていないというのか、とにかく自分の持っている声、持ち声だけで勝負している感じなんです。ここ2年ほどの間に丁寧に積み上げてきたものが、ちょっと形を崩しかけています。どうしよう・・・。

2年前におふざけでシェンヌの男声メンバーだけの合唱団「OAKシンガーズ」を結成しました。と言いましても年間のうち春から夏までの限定的な活動で、一年目は宝塚のコンクール、2年目の去年は県の合唱祭にそれぞれ参加しました。「女声がいてくれないと何も出来ない」現実を心の底から実感し、それでも「はずかしい演奏はできないから」と、文句を言いながらも量でカバーする練習をこなし、なんとか本番のステージに立つことができました。

宝塚での入賞も、合唱祭での合唱祭賞も「なんでや?」と思うほど酷い演奏でしたので、男声のレベルを思い知らされる以外に収穫はなかったように思っていましたが、実は少しは得るものがあったみたいなんです。
ソルフェージュ不足を解消するように努力し一定の成果を得たこと。女声がいてくれないことで「バレてしまう」響きのむらを整える声作りに徹したこと。そして男声だけでも音楽的に歌えることを実証したいと曲作りに妥協しなかったこと。

きっかけは遊び半分、練習嫌いが嫌々始めた取り組みでしたが、本人たちも気付かないうちにちゃんと肥やしになっていたみたいなんです。当然のことながら混声の活動へのフィードバックも認められましたし、「男声も頑張るやん」と女声陣からの評価もあがりました。
しかし残念ながらこの合唱団は解散・・・。シェンヌと違って、メンバーだけで企画運営していくスタイルで、それこそ主体的な意欲のみが活動をささえていただけに、この男声が出した結論を私はどのように受け取ったらいいのか・・・。

シェンヌ自体の活動は、今年に入ってからの練習への出席率や、練習中の雰囲気などを見る限り充実したものになってきています。結構「いいペース」なんです。しかしそんな状態にあるときだからこそ出来ること、しなければならないことがあるんです。
シェンヌの諸君に聞きたい。「あなたがたの意欲はどこに向いているのですか?」


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