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[45]奈良県合唱祭(2005/06/23 17:51:54)
奈良県合唱祭が終わって、シーズン到来っ!て感じになってきました。
毎年思うんだけど、やはりこの演奏の機会の位置付けって重要な気がするなあ。確かにとても気楽に歌えるし、一番のびのびと演奏できる。でもそこにそのグループの「らしさ」が凝縮しているように思うのです。
以下、合唱祭二日間で私が演奏した3つの団体について・・・。
『クール・シェンヌ』
今回で23回目の出場。今回は26名での演奏となりました。1曲目は5月の演奏会で取り上げたヒナステラのRecordare Domine。技術的に難しくはないですが、この人数ではちょっと大変だね、やっぱり・・・。前半のポリフォニーがとても美しい名曲だと思います。パートの力量が丸見えでちょっとはずかしい(?)。後半は勢いだけって感じが否めないですが、誤魔化しは効かないんだよね。しかし、最近は人数も増えて選曲の幅が広がりました。これはとてもうれしいことです。音楽の訴えかけも強まり表現が多様に変化できるようになってきました。しかし逆に、これまで大切にしてきた「個」を重視する緻密さがややもすると見失われそうになってしまう・・・。これだけは気をつけないとダメ。だってシェンヌはあくまでも「室内合唱団」!、のはず、だよ、ね?
2曲目は今年のNHKコンクールの高校の課題曲「風になりたい」でした。・・・そうです。初めてのピアノ伴奏付!どうしても歌いたくなって予定していた曲から直前に変更したのですが、う〜ん、結構、いや、とっても楽しかったなあ・・・。シェンヌは日本語の曲を歌わない、無伴奏しか歌わない、って自分たちで勝手に思い込んでいたみたいだけど、やはり少しずつ可能性を広げていきたい。食わず嫌いなところがあるのよね、オレって・・・。
でも、まだ踊ったりはできないですから。絶対!
『OAKシンガーズ』
あの、例の、解散しちゃったシェンヌのナヨナヨした男声合唱団。どうしてももう一度やってみたいっていうヤツがいて、で結局9人で始めちゃった・・・。曲は事前に相談されたけど、少ないから3声にしましょうね、ってことになって。しかしいつまで待っても練習に来い、との声がかからない。「なーんだ、やっぱ、辞退するんだな」と、少しホッとしていたら1週間前になって「合わせを見てくれ」って言われて・・・。「げっ!」って思ったけど、やる気だけはあるみたいだし。でも案の定「2小節に1時間半もかけるような練習」になったわけでして。「合唱祭賞を取れたらビールおごってやる」って半分キレながら約束したけど、まさか本当におごらされることになるとは夢にも思ってなかったのに・・・。しかし、その、自分たちで一歩前に進もう、みたいな意気込みは大好きだぞ。
「でも、やっぱりまた1年だけだったなあ」なんてことだけは避けてくれ・・・頼むから・・・。はずかしいし・・・。
『アンサンブル・テルミナ』
奈良市で活動する女声合唱団。今年で8年目かな?「宝塚のコンクールに出てみたい」ということで発足したようですが・・・、道程は険しいよな。平均年齢とかはやっぱり言うと失礼なんでしょうねえ?ま、所謂「お母さんコーラス」に分類されるんでしょうか。ここでは徹底してルネサンスの宗教合唱曲を取り上げ、ハーモニー感覚を磨き、響きの統一感を目指して地道な取り組みが続きます。しかし、これが本当に難しい。特に響きをそろえることに関して言えば、(誠に失礼ながら)年齢的な「壁」があって劇的な変化はなかなか望めない。でもそれが団員の「求めるもの」である以上、私は絶対に妥協するわけにはいきません。見学に来られた方が1時間も見ていられないほどの殺気漂う雰囲気。いやあ、こんなこと書いたら新規入団者がいなくなる、って叱られそうだけど、とにかく厳しい練習だと思います。大きな声で怒鳴ってもテンション持ち堪えるのが精一杯で、他に何が変わるわけでもないことはわかりますが、でも実際には、それで緩んでいた気持ちが引き締まって練習の集中度が高まるってことがよくある。自分の状態をコントロールするには「気分で乗せられている」だけじゃダメですよね。目には見えない「感覚」を記憶するためには研ぎ澄まされた集中力が必要だと思います。気持ちも大切だけどそれだけでは何も生まれない。「壁」を越えることは実験であり挑戦でもあるから、私にそれを求めてくれる人がいる限り、一歩も引下がるわけにはいかないのです。
「その他、雑感」
今年も舞台裏の仕事をしていたのでほとんどの団体の演奏を聴けました。去年も書きましたが、お母さんコーラスのパワーはすごいですね。しっとりとした音楽作りをしていたグループがいくつかありましたが、これはまた逆に年齢や経験のなせる業。
二日目はジュニアや中高生の熱演が光りました。伝統校、下市中学はよく鳴る声で今後一段の可能性を感じました。毎年書いている北大和高校はやはりうらやましくなるような素直な美声!
終演後のレセプションパーティーでは、今年はシェンヌが担当で、雰囲気を盛り上げるのに頑張ってくれました。進行が気になってしまい講師の先生方とお話ができなかったのは残念でしたが、みんなが個性を発揮してくれたおかげで楽しい雰囲気の中で終えることが出来ました。真面目で控えめすぎるシェンヌですがそれぞれの中にはそれぞれの想いがあるんだろうな。そんなものがもっと表に見えてきて、今までとは違う、別の「らしさ」が発揮されたらいいのにな、と彼らが活躍する姿を見ながらそんなことを考えていました。
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