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[40]全日本合唱コンクールを終えて(2004/11/23 03:30:00)
でっかいホール!
客席の高さも相当なものだけど、ステージの間口から客席への左右の広がり方がすごくって、ステージそのものが小さく見えました。
いえ噂には聞いていたんですよ。「きちっと音の感覚の残る歌いやすいホールだよ」というアドバイスを頂戴したものの、その後聞いた話は「出した音が自分に返ってくるのが異常に遅い」とか「フルオーケストラでも5階席までは音が飛ばない」とか「ステージで演奏するよりも客席で演奏するほうが残響が長い」・・・。
およそ作り話にしか思えない、そんないい加減な噂を、「まさか・・・」と、話半分に聞いていたのですが、「え?あの話って冗談じゃなかったの、か・・・」。
気づいたのは演奏の1時間半前のことです。

響きや音楽が飛んでこない、ということが一番の問題でした。しかし同時に、音をまとまりとして包んでくれないということにも不安を感じました。直前のリハーサルで若干、並び方に工夫を加えたり、声のまとめ方について互いに確認したりしましたが、今さら何が変わるわけでもなく、ただ、届かないから「大きく」歌うのではなく、届かないから「届ける」意志を持って、と、ステージに出て行く団員たちの後姿に祈りました。

意外だったのは、いざステージで演奏を始めると互いの声が良く聴こえたこと。そして、客席では感じなかった「ホールの響き」をステージでは感じることができたことでした。

今、当日の録音を聴いてその演奏の「粗さ」を悔やんでいます。もちろん練習不足が第一の原因ではありますが、「届ける」想いが「力み」を生んでしまったんじゃないか、という心配があるんです。
一昨年、昨年の全国コンクールのホールは本当に素晴らしかっただけに、今回、そんなホールの響きをイメージしながら、音色、バランスなどに気を配って作ってきた我々の音楽の「目盛り」の単位が、その「力み」によってわずかに狂ってしまったのかも知れません。

翌日のBグループの演奏はすべてを聴くことができませんでしたが、なにコラの演奏は素晴らしかった。声の魅力、ブレンド感、柔らかさ、流れ、音色・・・どれをとっても欠点らしい欠点は見つかりません。貫禄の1位だったのではないでしょうか?しかし、そのなにコラをもってしても、弱音時のパート間のバランスに不安を感じたり、特定の人の声が聴こえてきてしまったりと、あのホールの難しさを痛感しました。

私たちの演奏後は多くの方々からお声をかけていただき、本当に感謝しております。お褒めの言葉が多く、ありがたいなって思います。が、自分たちの演奏は自分たちで聴くことはできません。どうか団員諸君には、演奏の悪かった部分を指摘しているような感想や意見に耳を傾けて欲しいと思います。

最後に、シェンヌのみんな・・・2年連続の金賞、おめでとう。夢のようなこの結果は、みんなが1年間、熱意と努力を絶やさずに自分たちの音楽、そしてそれを作り上げる活動を信じて取り組んできたからだと、私は(皮肉ではなく)心から、そう思います。

喜びの気持ちを何に変えていくべきか。そこで真価が問われます。
次への力を生みだす、その「何か」を作り得るのは団員一人ひとりです。
それ故に、シェンヌはあなたたち自身のものなのですよ。
もう一度・・・本当に、おめでとう。


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