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[52]全日本合唱コンクール 2 高校部門(2005/11/24 22:33:33)
先月末、広島で全日本コンクールの高等学校部門を聴いてきました。
昨年は何かピンとこない演奏ばかりで少しがっかりしましたが、今年は違いました。
心に響く演奏がたくさん聴けました。

音楽を聴くときの姿勢、というか「どんなつもりで」聴くかってことは普段あまり考えたことないのですが、無意識に自分なりの「ポイント」を持って聴いているのだと思います。私の場合、合唱ならまず「声の魅力」そして「ハーモニー感」、「声のブレンド」など直接的に感じる要素を重視していました。そして何よりも重視したいのは・・・「感動性」。これは技術とは切り離されたところにあるものだとは思いますが、もちろん技術の裏打ちなしにはそれは感じ取ることはできません。

Aグループでもっとも素敵だったのは「秋田北高校」でした。特に課題曲がすばらしい!指揮者の生き様を感じる演奏・・・とでもいうのか、とにかく表面的でないんです。ブレスの前に全員が「女として生まれてきた宿命」(少し大袈裟?)を感じているのがわかるような演奏。とにかく泣けました。
Bグループでは浦和第一が秀逸。去年も素敵だな、って思ったんですが今年は東北勢と比較しても圧倒的に素晴らしかった。声の「温もり」ってものがあって、これが女声合唱、いや女性合唱だな、って。
あと、話題の宮崎学園は・・・確かに女声と男声の響きのマッチングが良くなくって、にわか作り的な部分がありました・・・・。
いや待てよ、「にわか作り」って何で知ってるんだよ・・・。そういえば広島に行く前日、話題に乗り遅れたくなくって、録画しておいた例の番組のビデオを観ていったから、か?
なるほど巷の評価も完全に二分してるよな・・・。なんだよ、おい、先入観?、それって?

冷静な気持ちで聴きました。「生きた音楽」という意味では素晴らしい演奏でした。課題曲の第一声から音楽に引き込まれました。演奏上のキズもたくさんありましたね。張り切りすぎた面も否定できないと思います。しかし、良かった!そう「感動性」がありました。
審査員の先生方は大変だったのではないでしょうか。しかしそれでも宮崎学園が金賞に値する演奏だと評価を下したことに敬服いたします。あの演奏を聴く中でさまざまな「先入観」が聴く人の耳を狂わせたのではないでしょうか。参加校すべてのドキュメント番組を作れたらそれはどれも素晴らしいストーリーになるはず。そうなればすべての演奏をもっと「感情移入」して聴くことになるのではないかな?

「この団体は去年は金賞だったから」、とか、「選曲がいつも○○だから」、とか、ましてや「この学校は県でもトップクラスの進学校だから」(過去にハーモニーの講評にありました)とか、とにかく「今、そこから聞こえてくる音」とは無縁の条件でまずランク分けしてしまってはいないのかな?と疑問になりました。

私自身も、そしてシェンヌの演奏も、今どのような状態なのかを「客観性」をもって聴けているのだろうか、とすごく心配になりました。しかしそのことで自分たちを見直すきっかけを持つことができました。「訴求力」そしてそれがもたらす「感動性」。漠然と「熱い演奏」とかではなく何故そうなのかを追求する姿勢を団員とともに考えて行きたい欲求に駆られました。

あれ、一般部門の話からはずれちゃったな。感想などはまた次回に・・・。


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